松田甚次郎(1909-1943)のサインのある宮澤賢治の春と修羅

(2014-05-05)

 昨年手に入れた宮沢賢治の『春と修羅』の初版本である。箱には痛みがあり美品ではない。 しかし賢治と縁のある 松田甚次郎 の昭和6年2月付の署名がある。いずれかの方に 贈られたものであろうか。
 オークションでは署名部分には(いかにも今風に)個人情報保護の為というめいもくでモザイクが掛けられ、 だれかは不明であった。 また箱にはタイトルが「草刈」という詩が書かれている。山形県にある古本屋が出品したものであったので 甚次郎縁の方が手放したものではないかと想像している。 もしかするとこの本は賢治自身が甚次郎に贈った本なのかも知れない。

2014-06-11
賢治の地元岩手で松田甚次郎と賢治との関わりを長く研究されている鈴木様の 松田甚次郎下根子桜への初訪問日?によると、詩は賢治のもののようであり、またこの『春と修羅』は賢治が昭和6年に贈ったものと推定されるとのこと、私も益々賢治が甚次郎に贈った本と感じられてきた。また箱に書かれている『草刈』は甚次郎が賢治に聞かされた詩を書き留めたものかも知れないし、或いは想像を逞しくするなら賢治自身が甚次郎へ贈ったものかも知れないなどと考えると、この本の経てきた歴史を感じざるを得ない。

2014-06-29
ブログ「宮沢賢治の里より」で鈴木 守様がこの春と修羅の件に関して詳細に考察為されているので 宮沢賢治の里よりを訪ねることをお勧めいたします。

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春と修羅
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松田甚次郎のサイン
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「草刈」

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